スウェーデンの北の果てでオーロラを見る②【iPhoneXRでオーロラの撮影はやめた方がいい】

文化人への道

スウェーデンの北の果てにあるラップランド旅行記、その2だ。その1は下のページで読めるよ。

2日目(ナイトハイク)

ようやく待ち侘びたナイトハイクの時間だ。オーロラが確実に見れるわけではないから、そこら辺は運が絡んでくる。とりあえず天気は良好だ。

ナイトハイクでは柔らかい雪が分厚く積もった山道を歩くわけだから、いくら雪道用のブーツとはいえそのままでは足が雪に沈んでしまう。そこで渡されたのはスノーシューというものだ。長さ80cm、幅20cmくらいのプラスチックの板のようなもので、その上に今履いている靴をはめれば、体重が分散して雪に沈みにくくなるということだ。いわゆる「かんじき」の現代版らしい。

スノーシューを履いて雪山を登っていく。雪に足が沈まないから歩きやすい。歩き始めて10分くらいしてふと空を見上げると、澄んだ冷たい空気の先に満天の星が広がっていた。

これは誇張ではなく、人生で一番綺麗な星空だった。マイナス15度の乾燥した空気が包む、市街地の灯りから遠く離れた北の果て。星空を見るのにこれ以上ない環境が用意されていた。プラネタリウムみたいだ、と思ったけれど、それはカブトムシを見て「カブトムシの模型にそっくりだ」というくらい意味の分からないことだから口には出さなかった。でもそんなことを言いそうになるくらい、そしてもしこの後オーロラが見れなくても満足できるくらいには綺麗な空だったのだ。

星空を見すぎて前方不注意になりながら30分ほど歩くと、ようやく目的の場所に着いたらしい。そこは木製ベンチがぽつんと置かれた見晴らしの良い丘だった。

ここは恋人の聖地らしく、その日オーロラを見れたカップルはずっと長続きして、見れなかったら近いうちに別れるというエピソードがあるそうだ。(こういう話は世界中であるんだね。)隣には知り合ったばかりの中国人のカップルがいたから、そんなエピソードを聞かされて少し気まずい気持ちになりながら、僕らはオーロラを待った。

10分くらい待ったけど、オーロラは見られなかった。もう少しこの場所で粘りたかったが、残念ながら時間らしい。僕らは山を降り始めた。

途中、大自然が生み出した雪の滑り台にダイブしたりして、もう少しで宿に着くという頃だ。オーロラが見え始めたのだ!最初は肉眼では確認できないくらいのぼんやりとした明かりだったが、徐々に鮮明になり、肉眼でもはっきりと捉えられるようになった。

僕らは手袋を外して、手が凍える限界を迎えるまで写真を撮った。

(正確には僕は友人のスマホを借りて写真を撮っていた。僕はいまだにiphoneXRを使っているから、露光時間を延ばすナイトモードが搭載されていないのだ。そんなスマホでオーロラを撮影しようとするのは無謀だった。肉眼を下回るクオリティ、というかほぼただの暗闇しか撮影できないから本当にお勧めしない。)

オーロラは写真で見た方が綺麗だと聞いていたが、それは本当だった。肉眼では捉えられないオーロラの緑色以外の光も、レンズ越しなら鮮明に見ることができる。

とはいえ肉眼でも、くっきりと揺れる光のカーテンを見ることができるし、刻一刻と形を変えるその動く様は、写真には収めることができないものだ。だからネットで写真を眺めるだけじゃなく、実際に見に行く価値のあるものだと思う。ついで、というには美しすぎるほどの星空も見れるしね。

ナイトハイクから戻った後も、宿のすぐ近くでオーロラを見れたから、結局夜中2時くらいまで飽きることなくオーロラを見ていた。(ユニクロ史上一番暖かいと銘打たれたダウンコートの実力は本物で、外にいるのも全く苦痛じゃなかった。)

3日目(犬ぞり)

昨日のオーロラの感動も冷めないうちに、僕らは犬ぞりに向かった。

ソリを引っ張るハスキーたちは、クールで聡明な見た目をしているが、わんぱくで人懐っこく、なかなかかわいい。

僕らはソリに乗り込み、犬達に引かれながら辺り一面の雪原を楽しむ。ソリに乗っている時間は思ったよりも長くて、のんびりと楽しむことができた。

その後、昼ごはんの時間を迎えた僕たちは、寿司屋に行ってサーモン寿司を食べた。トナカイ肉も有名らしいけど、僕は以前食べた時にその肉臭さが苦手だったから却下した。寿司は1000円という値段の割に、味噌汁までついていたし、味も悪くなかった。もちろん日本の寿司の方が好みなんだけどさ。

次のブログがラップランド最終回。トナカイとかサウナとか、北欧っぽさ満点だ。

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