近くの部屋の住人の柔軟剤めっちゃいい匂いするから何使ってるのか気になるけど、本人に聞く以外特定する方法ある?

考えてるゾウ

突然なんだけど、近くの部屋の住人の柔軟剤、すごくいい匂いがするんだ。でもどの柔軟剤を使っているか分からない。僕はこの匂いを正確に形容できないし、もしできたところで他者が全く同じ匂いを想像してくれるとも限らないから正解に辿り着く術がない。その部屋の人と知り合いじゃないから本人に直接聞くわけにもいかないし。

しかし言葉ってのは意外と不十分だ。全くもってこの匂いを他者に伝えられる気がしない。

匂い⇄言葉のつながりが不完全であるのと同時に、おそらく感情⇄言葉のつながりも完璧ではない。

僕らはある程度感情を言語化できる。コミュニケーションに必要だから感情に対応する単語が多いんだろう。悲しい、嬉しい、とか言うだけで大体どんな感情か推測できる。

だからこそつい、この対応が完璧でないことを忘れてしまう。

誰かが「〜〜〜ってことがあってさ、すごく傷ついたんだ。悲しいなあ。」って言っていたとして、本当は、せいぜいその感情の半分くらいしか理解できていないはずだ。僕らが行っているプロセスは、相手の感情→相手の言葉→自分が相手の言葉から想像した感情、の順だ。この矢印の間で必要な情報が抜け落ちたり、不必要な情報が入り込んだりする。

そうは言ったって、暫定的に言葉は一番実用的なコミュニケーションツールだからそれを使うわけだけど。

その矢印の間で生まれたギャップを埋めるためにも、自分が言語化するときは丁寧に言語化したいし、相手の話を聞くときは、できるなら思いやりを持って相手に接したほうがいい(あなたが大切に思っている人なら絶対にね)。

最低限、そこにギャップが生まれていることは常に頭に置いておくべきだろう。

ただし同時に、そのギャップがあるからこそ、小説や歌詞に想像の余地が生まれて、個々人の解釈が生まれて、面白いものになってるかもしれない。

そういうコミュニケーションの隙間って意外と大事かも。

街中の電線は、気温の変化に対応するために、ある程度の弛みを持って張られているようにね。

今日の音楽!

Humbert Humbert - 同じ話

この曲では、登場する二人の居場所も関係性も明記されていないけれど、そのぶん想像の余地があるし、自分の今置かれた状況に当てはめることもできる。だから、この曲の言葉は、不十分だけど十分なんだと思う。ああ、なんか僕がブログで年齢みたいな属性とか肩書きとか書きたくないのもそういう理由かも。具体的な情報がないからこそ、僕はあなたの他人でありつつ、同時にあなたの友達でいられる。シュレーディンガーの猫ならぬゾウってわけさ。

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