僕たちは沢山の気遣いを浪費しているって話

考えてるゾウ

この前、友人に誘われてホームパーティに参加した。(実は今、一時的にスウェーデンに住んでいる。もうすぐ日本に帰るけどね。)

僕のスピーカーから音楽を流していたから、どの曲を流すかは僕の権限だったわけだ。最低限の社会のマナーをわきまえているつもりの僕は、できるだけメジャーな曲、参加してる皆がそれなりに楽しめる曲をかけていた。例えば Ed Sheeran だとか Avril Lavigne だとか、そういうことだ。

ちょうど Taylor Swift の Love Story を流し始めた時、フランス人の女の子が話しかけてきた。

「この曲を選んでるのは君?さっきからめちゃめちゃ良い音楽のセンスしてるじゃん!!TaylorとAvrilは私のお気に入りなの!!」からのハグ、一緒にダンスをした。

今のところ自慢にしか聞こえないぞ

じゃあ次はTaylorのこれをかけて!次はこれ!と言った調子だ。もはやTaylorのコンサートだった。周りの友達はあんまりにも同じ曲がかかるから呆れていた。

しかし僕は違った。なんだか彼女が羨ましかった。

僕にだってそれくらい好きなアーティストはいるのだ。椎名林檎はずっと聞き続けているし、海外の歌手にしたって imagine dragons とか red hot chili peppers とか大好きだ。でもそれをパーティーで流し続けることはしないし、出来ない。他の人が楽しめているか不安だから。

僕が気遣いの出来る優しい人間だと称することも出来ると思う。でもそれ以上に思うところがあった。

その子と話したとき、何かを「大好き」だという純粋なエネルギーに触れた気がしたのだ。そこに社会への迎合だとか、周りへの気遣いだとか、そういった混ざり物はなくて。話していて楽しかった。

僕は勝手に、自分の「好き」を周囲に発信するのは、良くないことだと思っていた。なんだか強要してるみたいだし。でも、時に強引すぎるほどの「好き」のエネルギーが誰かを元気にするかもしれないって気づいた。

何かを大好きでいることは誰にでも出来ることじゃないしね

もちろん好きを伝える相手とか場面とか、塩梅は大事だと思うけどさ。

(こういうことって前にもあったなぁ。中学生の頃、映画大好きな友人がいて、一緒に映画観に行った。観客が3人しかいないようなマイナーな映画をハシゴした。すごく楽しかった。映画自体は微妙な内容のもあったけど、その友人の「好き」っていうポジティブなエネルギーに触れているのが楽しかった。)

追記: 次のパーティーでは、好きな曲を15%くらい混ぜた。そしたら別の人から、「他の人にDJを任せないでね、君の選ぶ曲が好きだから」と言ってもらえた。もちろん嬉しかった。

今日の音楽!

東京事変 – 私生活

気遣いという言葉を書きながら浮かんだのが、この曲だ。
この曲は「酸素と海とガソリンと沢山の気遣いを浪費している」というフレーズで始まる。4つの言葉、酸素、海、ガソリン、沢山の気遣い。どれが欠けても、何が増えても崩れてしまうような絶妙なバランスが好きで、脳裏を離れない。
2番の始まりのフレーズも語りたいところだけれど、曲を聴く人の楽しみにしておこうかな。

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